Q33:
サッカーをして、右ももを肉離れのような症状を、少し良くなり、サッカーをしたら今度は左足が肉離れになり、また少し良くなってサッカーしました。つい先日左ももにはサポーターをしてサッカーをしたら、今度右ももに軽い違和感を感じました。これって癖になってしまったのでしょうか?何か対応策がありましたら教えて下さい
A33:
肉ばなれの場合は損傷されているところが筋組織なので、治るのに時間がかかります。組織の構造が完成するのに約6週間、それが元のように強くなるのに、さらに6週間かかります。したがって、もとのように筋肉を使っていくには、怪我をしてから約3ヶ月が経過してからが安全です。しかし、運動をするにあたって問題なのは、3ヶ月も筋肉を使わないと筋力がかなり落ちることです。筋肉を損傷された部位に負担をかけないトレーニングを3ヶ月のうちにいかにするかがポイントです。もうひとつの問題点は筋肉の損傷部分は治るに従って、少し縮んできますので、適度なストレッチングも必要です。あせらず、慎重にトレーニングをしていくのが肝要です。
Q32:
約一年前にサッカーで左膝の前十字靭帯が骨からはがれてしまって治すには手術しかないと言われたのですが、靭帯再建術とは靭帯を復元する手術とは、どんな手術なんですか?できれば手術の内容など詳しく説明してほしいのです。お願いします。
A:32:
膝前十字靱帯は、臨床的には自然経過で通常、断裂が癒合することはありません。したがって、本来の機能を回復するためには、現在のところ前十字靱帯断裂に対しては手術療法が必要です。靱帯再建術は文字とおり、靱帯の機能を再現する手術のことです。本来の靱帯があった付近に、自己の靱帯や腱や、人工の靱帯を利用して靱帯の形態を造り、機能を回復させる手術です。
●再建靱帯に何を用いるかによって以下の3つに分かれます。
1.自家組織を用いる方法
これには半腱様筋、薄筋(大腿部にある筋肉)を用いる方法や骨付き膝蓋腱を用いる方法
、大腿筋膜を用いる方法などがあります。
2.人工靱帯(Leeds-Keio人工靱帯)を用いる方法
3.Allograft(亡くなった人の組織)を用いる方法(現在の日本ではあまりおこなわれていません)
いずれの方法でも、かなり満足のいく成績が得られています。ただし、手術をすればそれですべてが治ったというわけではなく、手術以上に手術後のリハビリテーションが重要であることを、忘れてはいけません。
Q31:
実は娘(10歳)が5年前に高いところから落ち、左ひじを骨折しました。すぐに入院し、手術をしましたが、退院後少しずれてしまい再度の手術も行なう気になれず結局腕は内側に曲がったままです。親として、今更ですが何とかうまく治る方法を探しています。生活には支障はないので、このままのほうがいいのでしょうか?又は体の成長が止まってからのほうがよいのでしょうか?
A31:
いわゆる内反肘というものです。ひじを伸ばした時、ひじが内側に曲がっている変形です。肘の骨折(上腕骨顆上骨折がほとんど)の変形治癒でなることがほとんどです。外観上、気にならなければそのままの状態で問題ないのですが、成人になってからでも、次第に尺骨神経麻痺を起こしてくることがあります。軽い症状は小指側のしびれから始まり、進行してくると薬指と小指が伸びづらくなる鷲手変形になることがあります。変形が強い場合は成長が止まる前に矯正骨きりの手術をしてもらったほうが良いかもしれません。
矯正骨きり術は上腕骨の顆上部(恐らく骨折した付近)で骨を楔状に切り、骨の軸を直す手術です。文献的には手術年令で成績には変わりは無いようですが、骨癒合のことを考えると年齢が若い方が骨癒合が良好で術後が楽です。ただし、2度目の手術ということになるので、技術的には少し難しくなります。尚、当院での診察は問題ないのですが、クリニックのため手術は出来ません。他の病院に紹介するということになります。
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