Q69:
小指の屈筋腱損傷で手術して腱を2本縫合しましたが癒着して小指が曲がりにくく,しかも小指の先端の関節はまったく動きません。手術後はその部分の関節はうごいていた記憶があります。ギブスで固定していた時、何もしていないのにバチット大きな音がしました。切れたのでしょうか?

A69:
指の屈筋腱の損傷は99パーセントもとに戻らないと考えてよいと思います。特に指の根元付近の屈筋腱損傷は10数年前までは「no man's land」と呼ばれ、手術などでさわると癒着を起こし手術成績が悪く、恐れられていました。近年、手術材料の改良、手術方法の改良、術後の後療法などの進歩により、手術も積極的に行われるようになりましたが、やはり手術は専門医だけのものです。恐らく、ギプス固定中の大きな音は縫合した腱の再断裂だと思います。早速、主治医に報告すべきです。腱縫合も綱渡りの技術なので、再断裂は珍しくありません。主治医は悲しむかもしれませんが、また、対策を練ってくるでしょう。指の腱の手術は、手術だけでなく受傷時の腱の状態、患者さんの理解と主治医の根気、また手術後の後療法も重要です。主治医を信頼し、相談してみてください。


Q68:
スノーボードで転倒し右橈骨遠位端骨折と尺骨の端を骨折しました。私のギプスは、ギプス包帯を板のように使い前腕をはさみその上にに普通の包帯を巻き固定してあります。それなので、ギプスは軽く上下に動きます。側面はギプスがないので、ちょっと物がぶつかったりするたびにヒヤヒヤします。このような、ギプス固定で大丈夫でしょうか?。

A68:
私も前腕の骨折にはギプスをサンドイッチのように挟んで巻きます。むしろ普通のぐるぐる巻きのギプスは最近はあまり行っていません。理由は、ぐるぐる巻きのギブスは腫れが引いてくると、ゆるんできて、骨折の転位(ずれ)を起こしやすくします。また。逆に腫れが増えてくると、ギプス内の圧力が高くなり、血行障害を起こし、フォルクマン拘縮のような大変な合併症をひきおこします。その点、サンドイッチ型ですと、骨折の転位のコントロールがしやすく、安全性も高いからです。多少固定性が不安に感じるかもしれませんが、転位だけ注意すれば、多少の骨折部への刺激は骨癒合に良い影響を及ぼすので心配はいらないかとは思いますが、主治医の先生にもお聞きになってください


Q67:
先日スキップで左膝蓋骨を脱臼しました。膝蓋骨脱臼は癖になると聞きますがなりにくくなるする方法を教えて下さい
A67:
膝蓋骨脱臼は膝蓋骨の安定性が悪い場合に起こりやすくなります。横歩きや膝のひねりによって脱臼し易くなりますので、スポーツなどでそのような力がかからないように注意するが重要です。膝を伸ばす大腿四頭筋や膝のまわりの筋肉を鍛えるのも一つの方法です。サポーターに細工をして脱臼しにくくする方法もありますが、完全ではありません。
何回も脱臼してしまう状態を反復性膝蓋骨脱臼といいます。生まれつき膝蓋骨の形、位置が原因で脱臼し易いことがほとんどですが、反復性になるのを防ぐには、極力、再脱臼をさせないことです。何回も脱臼すると、いわゆる道が出来て反復性になってしまいます。反復性になり、脱臼してしまうような感覚がいつもあるようになったら手術も検討します。

最初に戻る

HOME