一般的なぎっくり腰のような整形外科的腰痛●分かりやすいように腰痛の自然経過で説明します。
骨粗鬆症によるもの
骨折など外傷性のもの
婦人科的腰痛
悪性腫瘍による骨破壊による腰痛などもあります。
ここでは一般的なぎっくり腰のような整形外科的腰痛についてお答えします。
腰椎は椎間板と椎体で造られています。椎体は前方では椎間板、後方は椎間関節で繋がっています。●腰痛の予防
まず年齢的に”椎間板”が早い人では25歳をすぎると緩んできます。それに応じ、椎間間節に負担がかかり、
”椎間関節が原因の腰痛”を発生します。これが最初の腰痛です。
しばらくすると治ってしまいますが、1年から数年ごとにこの腰痛を繰り返します。
そのうち椎間板の芯(髄核)まで壊れてしまい中身が運悪く後方に飛び出し、すぐ後ろにある下肢にいく神経を圧迫したのが”椎間板ヘルニア”です。
椎間板ヘルニアになると腰痛よりも殿部から膝、足にかけての放散痛が走り、とても歩くのも大変になります。すなわち”椎間板ヘルニアは神経の病気”です。従って、腰痛と椎間板ヘルニアは違うものです。
圧迫された神経はしびれや運動麻痺を引き起こしますが、数ヶ月から2年位のうちに治ります。椎間板の飛び出した部分も吸収されて消失することが多いようです。
尚、筋肉性の腰痛もありますが椎間関節性の腰痛が混在し、純粋なものはほとんどありません。
その後、壊れた椎間板はさらに潰れていき、隣の椎体の変形をもたらします。椎間関節も変形し、ときどきの腰痛の原因になります(変形性脊椎症)。さらに椎間関節の変形やその周囲の靱帯や軟部組織が増殖し神経の通っている脊柱管を狭窄し、神経症状をもたらすこともあります。これが脊柱管狭窄症です。
このころになると脊柱管狭窄による坐骨神経痛や椎間関節の変形による腰痛などに悩ませられることになります。
また、女性では変形性脊椎症になる前に骨の質が低下し、いわゆる骨粗鬆症になり軽微な外力で椎体が潰れる圧迫骨折という状態になり、寝返りも出来なくなるような腰痛や背部痛を引き起こします。
腰痛は椎間関節性の腰痛から始まると前項で言いましたが、初期の腰痛をなるべく起こさないようにすれば椎間板ヘルニアに移行するチャンスが減ることになります。
では、腰痛を起こさないようにするにはどうすればよいでしょうか?
腰痛予防の第一は腹筋背筋の筋力をつける事です。筋力をつけようとしてやり過ぎれば椎間関節に負担がかかり、やはり腰痛を誘発してしまいます。毎日継続した適度な運動が重要です。日常生活でも自分の筋力以上の物を持ち上げたりすれば腰痛を誘発してしまいます。そのようなことをしないのも予防の一方法です。
腰椎の個人個人の遺伝的な構造もある程度は影響しますが、それでも予防を心がければ腰痛にならないですみます。がんばりましょう
●腰痛の治療
まず安静し、整形外科で圧迫骨折や骨粗鬆症などの原因でないか見極めてもらいましょう。
急性期は暖めないでください。あとで悪化することがあります。局所はコルセットなどで安静にし、動けるようになってから動いてください。早く痛みを取りたい時は整形外科の先生に相談して消炎鎮痛剤の内服や坐薬を処方してもらってください。注射などのブロック療法も早く痛みを取る一方法です。早期の低周波療法も効果があります。
ヘルニアの症状が出てしまったら、先生と相談してからですが牽引療法も効果があります。
いずれにしろ、数週間はかかります。ヘルニアになってしまったら、さらに何ヶ月かかかります。慌てずに腰を落ち着けて治療しましょう。