Q99
祖母が大腿骨を骨折しました。手術をすると後遺症で脳溢血などを起こすリスクがあるといわれました.手術なしならベットに4ヶ月ほど痛みがなくなるまでいてもらうと言われましたが、痴呆が進むのではないかと心配です。手術を受けるべきか教えていただけますか?
A99
合併症で脳梗塞、心筋梗塞などが確かにおき易くなります。頻度は少ないですが、水分の補給などで予防をします。手術をしない場合は認知症が進行する場合がありますが、これは頻度が高いと思います。一般的には合併症などを考えると手術した方が予後は良いと考えられています。
Q98
先日、インプラント治療を行った際に、担当医より、顎の骨の骨密度が低いので検査を受けるよう進められました。顎の骨の密度と体全体の骨密度は密接するのでしょうか?骨密度測定(DEXA法)という方法の御説明ををいただけたら幸いです。
A98
体の一部を計測すれば、身体じゅうの骨も同じ傾向の骨密度とされています。DEXA法は弱いレントゲン線を骨にあて、その吸収度をコンピューターで解析して骨密度を測定します。当院では橈骨のDEXA装置を設置しています。
Q97
野球で人差し指の関節(指の先端から最初の関節、DIP関節)を突き指しました。約1ヶ月たちますが、完全に曲がりません。通常自力で90°は曲がると思いますが、45°くらいが精一杯です。当初、紫色に関節部が変色。その後良くなってきていますが、まだ変色しています。関節部が少し太くなっています。精一杯曲げるところまでは全く痛みはありません。このまま様子をみても大丈夫でしょうか?
A97
人差し指のDIP関節が骨折しているかもしれません。変形して癒合すると後遺症を残します。早急に最寄の整形外科医か手の外科専門医を受診してください。
Q96
2ヶ月程前から右親指の第一関節が曲がらない。無理に曲げると軽い痛みが有り、戻りずらい。2年程前、左に同じ症状が出ました。その時は接骨院に3ヶ月位通いました。テーピングして曲げないようにと、注意が有りましたが、原因ははっきりしません。診察を受けようと思いますが?接骨院と整形外科どちらが良いでしょうか?
A96
まずは原因と診断をつけてもらうのが先決だと思います。整形外科は原因を調べ診断をつけてから治療に入ります。まずは整形外科の受診をお勧めします。
Q95:
2歳の娘の手を引いたところ、痛がり手を上げなくなったので、翌日近くの整形外科に行きました。先生が肘を何度も曲げ伸ばしをされ「肘が脱臼していたようですが、もう自然に入っていたようです。」とのことでしたが、まだ動かすと痛がり腕を使おうとしません。このまま様子をみていて良いのでしょうか?
A95:
小児の場合、手をひっぱたり、転んで腕をひねった時などは肘関節の中の輪状靭帯が引っかかって亜脱臼状態になる場合があります。肘内障といいます。時間が経つと整形外科医でも整復しづらいことがあります。2日経過してもまだ痛みが残るということは、まだ整復できていないことも考えられます。痛みが続くようなら、骨折ということは可能性は少ないとは思いますが念のためレントゲン検査なども受けておいた方が安心です。いずれにしろ、諦めず、治るまで何回も整形外科に受診してください。
Q94:
先日、左手の甲に腫瘤があり「ガングリオン」だと自己診断をしていました。その後、ぶつけたなどの記憶はないのですが、消えていました。「ガングリオン」は自然に消えたりするものなのでしょうか?
A94:
ガングリオンかどうかは診察しないとわかりませんがガングリオンは液体の入った袋なので、大きくなったり小さくなったりします。
Q93:
3ヶ月前に親指内側の第一関節の少し上を、ガラスで切ってしまいました。救急で3針縫う処置をしてもらい、一ヶ月程で通院治療が終わりました。まだ指先の感覚がなく、もしかしたら完全にはもどらないかも。と言われています。まだ物がつかめない状態でとても不自由な思いをしています。もしかして神経を切ってしまったのでしょうか。痛さと怖さで傷の深さを見ていません。もう一度治療を受けた方がいいでしょうか。
A93:
すでに3ヶ月が経過しているのに症状が強いといことから神経損傷が疑われます。神経損傷の程度、状態によっては手術のような治療も不可能なときがあります。主治医の先生に良くご相談下さい。
Q92:
自分の息子は野球をやっており、中学校2年生のときに膝離断性骨軟骨炎で両膝の関節鏡手術を受けました。右はドリリングにて修復。左は症状が右よりも悪かったらしく同術式プラス生体内吸収ピンにて固定する手術を行いました。 半年後では経過は良好みたいでしたので、高校は野球部に入りました。入部一ヶ月後には左ひざ状の態が悪化し、膝を曲げるたび疼痛があるため歩行も困難な状態になりました。 X線検査で診断してもらった結果、軟骨がはがれかかっているのが痛みの原因で運動を止めて回復を待つか、あとは骨軟骨移植しかないとのことでしないとのことでした。 本当にそれしかないのでしょうか?また、最近レーザー治療というものを聞きましたがこのような症例で治療することはできないのでしょうか。
A92:
膝離断性骨軟骨炎は関節内の骨軟骨の損傷なので、骨軟骨が修復しないと治る方向には行きません。レーザーが血流を良くするなどの効果があれば、少しは期待は持てますが、残念ながらレザーにはそのような効果はありません。保存療法の理学治療として骨の血流を良くする治療は多少効果的に働くとは思いますが効果の程は不明で消極的な治療ということになります。後遺症を残すことが多い疾患なので、治療方針については、よく主治医の先生とご相談下さい。
Q91:
私は、以前から肩こりはないのですが、首だけはよく凝ってました。10日前に少しずつ首の痛さに気づいて、夜には動かす為には手で支えながらじゃないと動かせないくらいになってしまいました。翌日、整形外科でレントゲンを撮ってもらいましたが、筋肉の腫れだと言われて、湿布と炎症押さえる薬と、痛み止めを頂きました。今日になって、やっと首を動かす事は出来るようになりましたが、やはりかなり痛いです。やはり筋肉の腫れなのでしょうか?
A91:
症状が強いので、頚椎の関節(椎間関節)の痛みかと思います。いわゆる寝違えや頚椎捻挫で痛めるところです。急性期は関節の安静と鎮痛剤で経過を見ると良いかと思いますが、具体的には主治医の先生にご相談下さい。
Q89:
薬指を脱臼骨折しました。骨の方はもう大丈夫なんですが、第1関節が第2関節を曲げた状態だと動きません。第2関節を伸ばしている状態だと曲がるのですが、どういう事なのでしよう?通っていた病院では分からないと言われました。ちなみに第2関節は痛みは無いのですが、硬く腫れたままです。ご意見お願いいたします。
A89:
薬指の第二関節(PIIP関節?)の脱臼骨折で良いでしょうか?この骨折はなかなか、元通りにならない骨折で、頭が痛い骨折です。多分まだ腫れが残っているでしょうか?関節の動きはいかかですか?ご質問のPIP関節(第二)が曲がっていると第一関節(DIP関節)が動かないということですが、正常でも特殊な腱構造(伸筋腱支帯)のため、動きません。伸筋腱支帯は指の関節を滑らかに上手に連動させるようにするため、第二関節と第一関節を指の脇の腱で結び合わせているのです。第二関節を曲げているとこの伸筋腱支帯が緩み、第一関節が動きづらくなるのです。正常な指でも試して見てください。というわけで、第一関節が第二関節を曲げた状態で動かないのは心配ありません。
Q87:
3年ほど前にある病院で右肘部管症候群と診断され、右肘の神経の圧迫を開放する手術を受けました。今の状態は、3年前とほとんど変わりません。右手のひらの小指側面の筋肉と、各5指の間の筋肉が衰えており、薬指、小指にしびれがあります。今もその病院にたまに薬をもらいに行っているのですが、治るのでしょうか?薬の名前は、ユベラとメチコバールです。何でもいいので、この病気に関することと対処法を教えてください。
A87:
肘部管症候群は尺骨神経が通る道でご存知のように肘の内側(尺側)にあります。肘が曲がるところなので条件は悪く、尺骨神経が引っ張られたり、靭帯などや外部から圧迫されたりします。その結果、尺骨神経の麻痺症状が出易いわけです。手術はその肘部管を切り開き、神経を通りやすくする手術です。神経は損傷しやすく、肘部管症候群で締められた神経の損傷の程度が予後に関係します。また、痛みが出たり、広がるようでしたら他の原因の頚椎症などによるものかもしれませんので主治医の先生に良く見てもらってください
Q86:
小生7年前から膝が痛みだし、かかりつけの内科の先生に、大学病院を紹介され診察を受けましたが、主治医の先生は小生を一瞥し「貴方は老人性の変形性膝関節症で治りません」と言いました、本当にそうですか、病気なら治ると小生は近代医学を信じていますが、今でも不治の病は有るのでしょうか、又手術は種々問題があり、やらない方が良いと言われますがどうしてですか、小生後10年は自分の足で歩いて見たい所があります。宜しくご指導お願いします。
A86:
変形性膝関節症は年齢的なもので、変形そのものは現代の医学でも、もとに戻すことができません。先生がおっしゃったのはこのことかもしれません。しかし、痛みなどの症状は注射や鎮痛薬、理学治療などで軽くすることはできます。しかし、それでも症状が改善しない場合は膝そのものを全部取り替える手術が選ばれるわけです。手術をするかどうかは個人個人が判断し決めるしかありません。手術については、いろいろな条件があり、やらない方がよいということは一概には言えません。充分、担当の先生と相談し、またアドバイスを受け、今後の治療をしていってください。
Q85:
伸筋腱断裂と医者に言われてから、もう1ヶ月以上経っています。今はテーピングのようなテーピングでないもので固定しています。この怪我はどのくらいで治るものなのですか?とにかく部活がしたくて仕方ないんです。
A85:
伸筋腱断裂の部位はドコでしょうか?指先の関節(DIP関節)の伸筋腱断裂はくせもので、きちんと2ヶ月から3ヶ月固定しないと再発をします。きちんと固定しても、完全に伸びなくなるなどの後遺症を残すことが多いようです。
焦らないように、主治医の先生とよく相談して治療して行ってください。
Q84:
ガングリオンで悩んでいるのですが、Q&Aを拝見しまして近所の病院で低出力半導体レーザー治療を行ってくれる所を探しました。幸い見つけることが出来、一回5分で2回受けました。ただ実際そちらで治療を受けた事がないので、これでいいのか不安です。レーザーの光を少しずつずらしながら5分当ててます。一度液を抜いてから当てた方がいいのかなとも悩みます。もしよろしければ教えてください。
A84:
当院でも一箇所3分から5分程度で照射しています。だんだん小さくなってくれば効果は出ていると思います。ただ、3週間程度経過しても全く変化がみられない場合は中止することもあります。やはり、液を抜いてからの方が効果があるようです
Q79:
先日ドウ・ケルバン氏病と診断されました。現在妊娠中でもうじき出産が近いのでキシロカインとステロイドを注射してもらいました。 安静にしていることが一番いいと言われ、手を固定していますが、どのくらいで痛みが引き今までどうり使うことができるのでしょうか?
A79:
ドウ・ケルバン氏腱鞘炎 は手関節の橈側(親指側)の短母指伸筋腱と長母指伸筋腱の腱鞘炎です。保存的にはなかなか完治には時間がかかります。頑固なのもには手術をすすめますが、局所安静などして、早い場合でも2ヶ月以上かかり、治療せず放置しておくと治らないことも多いようです。当院では低出力レーザー治療も併用しています。
Q78:
小5の息子の事でお尋ねします。1ヶ月ほど前からキャッチボールのあと肘の内側が痛み、ここ1週間程度投球練習は休んでいます。痛みはなくなったということで昨日20球ほど投げたところ激痛が走ったようです。どの程度の練習ならばしても良いのでしょうか?ご助言よろしくお願いいたします。
A78:
いわゆる野球肘だと思います。必ず、早めに最寄の整形外科医に診察を受けてください。骨や軟骨が変形し始めていることもあります。ひどくなると元に戻らなくなり、後遺症を残します
Q77:
先日、追突事故にあいました。骨に以上はなく大丈夫といわれ、シップ薬をもらいました。全体的に右側が、おもく凝ったような感じがとれません。後頭部右下にも違和感を感じます。気にしすぎなのでしょうか。むち打ちは、個人の自覚症状のみで診断が難しいといわれました。骨に異常がないので、診療方法が、難しいのですか。
A77
頚椎捻挫はひどく重症でなければ、頚椎の骨には変化はありません。頚椎の関節や筋肉、神経が損傷されますが、単純レントゲンでは通常、所見は出ません。症状も直後より数日後の方が強くなります。現在の症状は事故の影響とも考えられますので、主治医の先生にご相談ください。
Q76:
3ヶ月前、布団から起きる時に仰向けで転び背骨をつぶしてしまいました。入院は3週間の予定でしたが、いまだに痛みが続き、一人でトイレにも行くこと歩くことも出来きません。入院一ヶ月ころ杖をついて歩くまでに回復しましたが、ある日突然また痛くなり入院時の状態になってしまいました。主治医の先生はつぶれた背骨がレントゲンで見ると全部つぶれ終わっていないことから又痛くなったので、このまま背骨がつぶれ終わる状態を待つしかないと言われました。前の状態に回復出来るか不安です。
A76:
脊椎骨は段階的につぶれることがあります。一度、痛みが良くなり、再度痛みがぶり返すという症状の出方になります。また。近くの脊椎骨がつぶれ始めて、痛みが再発することもあります。痛みを早く取るのには、苦労することが多いですが、主治医の先生に良くご相談下さい
Q75:
右尺骨神経麻痺と診断されました。現在親指、人指し指以外曲がってしまい手の甲の筋肉も落ちてしまっている状態です。その病院では初期の頃、原因不明といわれていたので、骨を切って神経を移行する手術が必要と言われました。神経なだけに不安があります。術後の回復度や後遺症について教えて下さい。新しい手術法などもあるのでしょうか?
A75:
尺骨神経麻痺は原因となる部位や程度によって治療方法が変わって来ます。原因部位を確定してから、手術法を選択しますが、術後の回復度や後遺症は患者さんによって全くさまざまなので、主治医の先生にお聞きになってください。尚、新しい手術法が必ずしも良いとは限りません。主治医の慣れている手術が一番良いということになります。
Q74:
年齢59歳の母ですが、昨年、足関節を骨折し、手術でにボルトが4本入っています。担当の先生には、一年後くらいにボルトを抜きましょう言われました。一年後、診察に行ったところ、担当の先生は別の病院にいかれたらしく別の先生にみてもらったところ、ボルトをとる必要はないがご希望なら取りますと言われたそうなのです。このまま取らずにいても差し障りはないのでしょうか?
A74:
基本的にはボルトは異物ですから、抜いた方が良いのです。しかし、抜かなくても将来問題はないことが予想される、手術のリスクの心配、技術的に抜くのが困難、抜かないのを前提にした手術法で、患者さんが希望しない、などで抜釘手術をしない場合があります。あまり長く内固定の金属を入れていると、治癒した骨折部が弱くなることもあり、抜くなら2年以内を勧めています。
Q73:
手のひらの人差し指の付け根から5ミリほど下にしこりのようなものができて、ガングリオンかもしれないと言われまた。手のひらにできるなんてあまり聞きませんが、そういうこともあるんですか?
A73:
手のひらのガングリオンは腱鞘から発生することが多く、固く、圧痛も認めることがあります。穿刺などで治療します。
Q72:
長母指伸筋腱断裂で,3週間固定していました。リハビリに通っていますが、手術から1ヶ月ほどしかたっていないのに、今日、親指を曲げる運動を始めました。長い間まげてなかったので怖いのと、今の時期にこの運動をしてまた切れてしまわないかと心配です。このまま病院を信用してリハビリを続けてもいいのでしょうか
A72:
伸筋腱断裂の縫合後の後療法は3〜4週固定後、自動運動の開始しています。あまり固定していると拘縮をまねき、早くすると断裂します。あとは手術中の縫合状態を考えながら方法を考え、時期を早めるか遅くするかを判断します。腱縫合は手術後の後療法が成績の半分を占めます。いずれにしろ、後療法はほとんどが主治医のさじ加減です。患者さんの理解度、協力も重要です。主治医の先生にわからないこと、不安なことは良くお聞きになって治療して行ってください。
Q71:
現在18歳なのですが、5,6年前から指をぽきぽき鳴らしていたら指の関節が非常に太くなってしまいました。手術などによって治すことは可能ですか?
A71:
太くなってしまったということは、かなりの回数を鳴らしていたのでしょうか?関節は成長期に刺激を与えると、関節部の骨そのものがやや大きくなる傾向があります。軟部組織もやや厚くなるかもしれません。残念ながら、手術ではもとに戻せません。
Q69:
小指の屈筋腱損傷で手術して腱を2本縫合しましたが癒着して小指が曲がりにくく,しかも小指の先端の関節はまったく動きません。手術後はその部分の関節はうごいていた記憶があります。ギブスで固定していた時、何もしていないのにバチット大きな音がしました。切れたのでしょうか?
A69:
指の屈筋腱の損傷は99パーセントもとに戻らないと考えてよいと思います。特に指の根元付近の屈筋腱損傷は10数年前までは「no man's land」と呼ばれ、手術などでさわると癒着を起こし手術成績が悪く、恐れられていました。近年、手術材料の改良、手術方法の改良、術後の後療法などの進歩により、手術も積極的に行われるようになりましたが、やはり手術は専門医だけのものです。恐らく、ギプス固定中の大きな音は縫合した腱の再断裂だと思います。早速、主治医に報告すべきです。腱縫合も綱渡りの技術なので、再断裂は珍しくありません。主治医は悲しむかもしれませんが、また、対策を練ってくるでしょう。指の腱の手術は、手術だけでなく受傷時の腱の状態、患者さんの理解と主治医の根気、また手術後の後療法も重要です。主治医を信頼し、相談してみてください。
Q68:
スノーボードで転倒し橈骨遠位端骨折と尺骨の遠位端を骨折しました。私のギプスは、ギプス包帯を板のように使い前腕をはさみその上にに普通の包帯を巻き固定してあります。それなので、ギプスは軽く上下に動きます。側面はギプスがないので、ちょっと物がぶつかったりするたびにヒヤヒヤします。このような、ギプス固定で大丈夫でしょうか?。
A68:
私も前腕の骨折にはギプスをサンドイッチのように挟んで巻きます。むしろ普通のぐるぐる巻きのギプスは最近はあまり行っていません。理由は、ぐるぐる巻きのギブスは腫れが引いてくると、ゆるんできて、骨折の転位(ずれ)を起こしやすくします。また。逆に腫れが増えてくると、ギプス内の圧力が高くなり、血行障害を起こし、フォルクマン拘縮のような大変な合併症をひきおこします。その点、サンドイッチ型ですと、骨折の転位のコントロールがしやすく、安全性も高いからです。多少固定性が不安に感じるかもしれませんが、転位だけ注意すれば、多少の骨折部への刺激は骨癒合に良い影響を及ぼすので心配はいらないかとは思いますが、主治医の先生にもお聞きになってください
Q67:
先日スキップで左膝蓋骨を脱臼しました。膝蓋骨脱臼は癖になると聞きますが,なりにくくする方法を教えて下さい
A67:
膝蓋骨脱臼は膝蓋骨の安定性が悪い場合に起こりやすくなります。横歩きや膝のひねりによって脱臼し易くなりますので、スポーツなどでそのような力がかからないように注意するが重要です。膝を伸ばす大腿四頭筋や膝のまわりの筋肉を鍛えるのも一つの方法です。サポーターに細工をして脱臼しにくくする方法もありますが、完全ではありません。
何回も脱臼してしまう状態を反復性膝蓋骨脱臼といいます。生まれつき膝蓋骨の形、位置が原因で脱臼し易いことがほとんどですが、反復性になるのを防ぐには、極力、再脱臼をさせないことです。何回も脱臼すると、いわゆる道が出来て反復性になってしまいます。反復性になり、脱臼してしまうような感覚がいつもあるようになったら手術も検討します。
Q66:
52歳の母がヘバーデン結節と診断されました。母は酒屋で1年前からパートしてます。重い物を運んでいます。
安静にするよう指示され薬をもらって帰って来ました。一生治らず、進行は止められないと言われ、家事もパートも編み物もダメと言われて半泣きで帰ってきました。本当に一生治らず進行すら止められないのでしょうか?左手の中指が45度くらい曲がっていて触ると痛いそうです。大好きな編み物も出来ずかわいそうで見てられません。一生治らないんですか?進行し続けて、じきに動かなくなるんですか?
A66:
へバーデン結節は、指の第一関節(DIP関節)が変形する疾患です。原因は素因や局所の負担などが考えられますが、分かっていません。最初に報告したへバーデン博士(William
Heberden )の名にちなみ、へバーデン結節と呼ばれています。骨や軟骨が背側に硬く盛り上がり結節を作ります。進行すると第二関節(PIP関節)も横にまがり、漫画の魔法使いの手のようになることもあります。PIP関節の変形の方はブシャー結節(Bouchard's)と呼ばれます。ほとんどは両側に生じ、更年期以降の働き者の女性に多くみられます。
進行の程度を押さえるためには局所の安静、痛みや変形が強い場合は簡単な副木やギプスで固定します。外用薬も多少、効果はありますが、当院では低出力レーザー治療を第一選択として行っています。レーザーには鎮痛効果と抗腫脹効果があります。ヘバーデン結節は程度がひどい場合は手術をする場合もありますが、保存的にも数年である程度の変形と拘縮(関節が固く動きずらくなること)を残し落ち着いてきます。
Q65:
陸上の中距離をやっています。しかし最近、股関節左に激痛がはしり、保健の先生に、剥離骨折かもと言われました。剥離骨折なんて聞いたことないので、教えてください。
A65:
股関節の動かす筋肉は、股関節の周囲の骨(腸骨、恥骨、坐骨)に付着していて、若年者の場合はスポーツなどで付着した骨ごと剥がれることがあります。
主な股関節周辺の剥離骨折の部位は、
●腸骨の上前腸骨棘
腸骨前方のベルトがかかる骨のでっぱりのところです。この部位には膝を曲げるための筋(大腿筋膜腸筋、縫工筋)の付着部があり、短距離走でのスタートダッシュなどで起こりやすい。
●腸骨下前腸骨棘
腸骨の股関節のすぐ上です。膝を伸ばすための筋(大腿直筋)の付着部があるためボールを蹴ったりで起こりやすい。
●坐骨
座ったときにお尻の下側にでっぱった骨です。ここは臀部の筋の付着部で力強く踏ん張ったりした時に起こりますが、頻度は少ない。
いずれも保存的に治癒できますが、転位が多いときは手術治療も考慮されます。
Q64:
野球で、ボールを投げ過ぎで、医者に剥離骨折と診断されました。剥離した骨は、どうなりますか? 肘の痛みが無くなると、又ボールを投げてよいですか?(13才男)
A64:
いわゆる野球肘と呼ばれる疾患です。ボールの投げすぎで関節の中の軟骨がぶつかり過ぎて、剥がれてしまったものです。「離断性骨軟骨炎」とも呼ばれます。基本的に軟骨は剥がれてしまうと自然とは元に戻りません。剥がれたところは凹んだままになります。軟骨の傷を広げないようにしないと、肘の屈伸がますますできなくなります。一方、剥がれて離れた軟骨(一部骨がついている場合もあります)は軟骨の塊になり、関節の中を動き回わり、時々ひっかり急に肘が伸びなくなったりするいたずらをするようになります。そのとき音がするので「関節ねずみ」=関節遊離体とも呼ばれます。関節ねずみは手術をしないと取れません。この段階になると、病状の程度によっては野球は当分の間出来なくなることも覚悟しなくてはいけないかもしれません。今後、どのようにするかは主治医の先生に十分お話を聞いて決めていってください。
Q63:
湿布や軟膏(鎮痛消炎剤)は表面的な炎症に効果があるが、筋肉痛・骨膜炎などの深部に対しては効果がないって本に書いてありましたが本当でしょうか?
A63:
薬品メーカーからは消炎鎮痛剤入りの湿布剤、プラスター剤、軟膏は皮膚より消炎鎮痛剤が吸収され、特に局所に効果があり、微量ではあるが全身的にも吸収されると聞いてます。従って、皮膚だけでは無く深部にも効果があるはずです。
Q62:
88歳になる祖母ですが、数年前から足のしびれを感じ、だんだんひどくなるようです。いつもごつごつとした岩の上を歩いているようだと申しています。歩く時のみならず、横になっていても痺れがひどく、最近は腰も痛いようで、私も見ていてとても辛いです。少しでも病状を緩和する方法はありますでしょうか?
A62:
腰痛もあり、腰椎の脊柱管の部分で神経や血管の通り道が年齢的に狭くなり、神経の束(馬尾)を圧迫して、腰から足の裏までの痛みや痺れを来たす腰部脊柱管狭窄症が一番考えられます。変形性脊椎症の一種の形です。圧迫は立って腰がのびた状態で強くなります。そのため、ある程度歩くと腰から足の裏にかけてが痛んだり、しびれたりして歩けなくなり、しばらく休むとまた歩けるようになるという症状(間欠的跛行)をおこします。理学療法や薬物治療など保存的治療を中心に治療しますが症状の強い場合は手術療法も選択されます。なかなか治りずらい疾患ですが、一度、近所の整形外科の先生に診てもらってください。
Q61:
整形外科で胸郭出口症候群と診断されましたが、なんの治療もなく、何をしたら良くなるのかがわかりません。教えてください。
A61:
頚椎から出た神経と血管は鎖骨と第1肋骨の間(胸郭出口)を通って肘から手に行きます。頚椎症や頚椎の椎間板ヘルニアが原因の神経症状もなく、胸郭出口での神経血管を圧迫が原因でしびれや上肢の脱力感などの一連の症状が発生する疾患を「胸郭出口症候群」と呼びます。なで肩や首が長い方や、首を一定
の角度で長時間固定する作業の場合(デスクワークなど)は発生しやすくなります。根本的な治療はあまりなく、手術療法「第1肋骨切除術」もありますが、一般的には保存療法が主体となります。
保存療法は主に日常生活上の注意と上半身の筋力アップが治療となります。デスクワークの場合は、机になるべく近く座って、あごを軽く引いて、軽く背筋を伸ばし、肘がほぼ直角になるように椅子の高さを調節し、机に肘を
ついて、作業するようにしてください。肘をつくことにより、筋肉の緊張がとれ、鎖骨も上がるようになり多少胸郭出口が広がります。2時間以上連続で、同じ体勢で作業しないようにし、必ず休憩を入れ、肩の運動などをするようにします。普段でも姿勢を正しくして歩き、肩を動かすスポーツなどを積極的にしてください。確かになかなか治りずらい疾患ですが、日々の自分の努力で改善すると思います。詳細は主治医の先生にお聞きになってください。
Q&A61-95 |