労災診療費算定基準の一部改定について(平成16年4月)

東京労働局編+東京労働保険医療協会
東京臨床整形外科学会編
労災診療費算定基準PDF(日医会員ページ) H15.9.1

平成14年4月からの整形外科医療の内容(HOME)


診 察 料

 1.初 診 料(平16.4 改定)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3,640 円
      
 
救急医療管理加算(平6.5 実施)(平8.5 改定)


同一傷病につき1回限り(初診時)‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 入 院:6,000 円
入院外:1,200 円
  
初診の傷病労働者について救急医療を行った場合に,上記金額を算定することができる。(指定医療機関が傷病労働者を受け入れる際に,当該労者が初診である場合は,一般に緊急性があることから,入院した場合には入院初日に限り,入院外の場合は初めて来院した日に限り算定できる。)
なお,健康保険診療報酬点数表における「救急医療管理加算」,「特定入院料」とは重複して算定することはできない。
また,健康保険における「特定療養費(初診時自己負担金)」とも重複して算定することはできない。

2.再 診 料(平15.9 改定)

診療所及び病床数が200未満の病院において算定する。
        ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1,370 円

注)病床数の考え方は,健康保険診療報酬点数表の取扱いと同様。

3.外来管理加算

外来管理加算の特例取り扱いについて (平4.4 実施)(平15.9 改定)

健康保険診療報酬点数表では,病床数が200 未満の病院又は診療所において,入院中の患者以外の患者に対して,慢性疼痛疾患管理並びに別に厚生労働大臣が定める検査,リハビリテーション,精神科専門療法,処置,手術,麻酔及び放射線治療(以下「検査等」という。)を行った場合には,外来管理加算の算定はできないこととなっているが,労災保険では,健康保険診療報酬点数表で外来管理加算の算定ができないこととなっている検査等を行った場合であっても,外来管理加算の所定点数(52 点)に満たない検査等の点数がある場合に外来管理加算を算定することができる。
 なお,四肢の傷病に対する処置,手術,リハビリテーションの特例取扱いの適用がある場合は,適用後の特例点数を基準に算定する。

 外来管理加算の早見表は表1のとおり



4.外来診療料 (平12.4 実施)(平16.4 改定)
             ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 72 点
 
病床数が200 以上の病院における再診については,健康保の取扱いと同様に,再診料に代えて,簡単な検査等を包括した外来診療料により算定する。
 したがって,外来管理加算及び外来管理加算に関する特例についても算定することはできない。
また,外来診療料に包括される処置については,四肢加算の対象となる場合であっても,当該処置の点数及び当該四肢加算の点数を外来診療料の点数とは別に算定することはできない。
なお,病床数が200 以上の病院が病床数200 未満の他の病院又は診療所に対して文書による紹介を行う旨の申し出を行ったにもかかわらず,傷病労働者が自己の合等により引き続き当該病院に受診することとなった場合は,緊急その他やむを得ない事情がある場合を除き,当該病院は傷病労働者から選定療養費(特別の料金)を徴収できることとなる。
    注)病床数の考え方は,健康保診療報点数表の取扱いと同様。

5.再診時療養指導管理料
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1回につき 900円

外来患者に対して再診の再診の際に、療養上の食事、日常生活動作及び機能回復訓練に関する指導を行った際に算定できる。ただし、同一暦月において特定疾患指導料及び健保点数表における、特定疾患指導料と重複算定できない旨規定されている管理料、指導料等とは重複算定できない。
   900円 内訳書右側(13)欄に記入
O慢性疼痛疾患管理料とは重複算定できない。

6 .再就労療養指導管理料

@ 入院治療後、通院療養を継続している者
A 入院治療を伴わず、通院療養を3ヶ月以上継続している者

ア.労災指定医 → 傷病労働者(指導管理料)
  就労が可能と医師が認めるものに対し、就労に当たっての 療養上必要な 指導事項及び就労上必要な指導事項 (職種、就労時間、職場環境等)を記 載した「指導管理料」を傷病労働者に交付し、指導を行った場合に 算定できる。

イ.労災指定医 → 産業医(情報提供)
 傷病労働者の主治医が、当該労働者の所属事業場の 産業医(主治医が 当該労働者の所属事業場の産業医を兼務している場合を除く)に対して 文書(指導管理箋等)をもって情報提供した場合にも算定できる。
  ただし、同一傷病者につき各々3回を限度(慢性的な疾病を主病とする者で、 現に就労しているものについては医師が必要と認める期間)とする

月1回  2,400円
内訳書右側 (80)その他欄に 記入し、摘要欄に
 @交付日
 A何回目
 を記載する

 
7.入院基本料 (平12.4 実施)(平14.4 改定)

イ 入院の日から.起算して2週間以内の期間
           ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 健康保保険診療報酬点数の1.30倍
ロ 上記以降の期間 
           ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 健康保保険診療報酬点数の1.01倍
                                
                                 (いずれも1点未満の端数は四捨五入)

入院基本料は,入院の日から..算して2週間以内の期間については,健康保保険診療報酬点数(入院患者の入院期間に応じ,加算又は減算する点数は含まない。)の1.30 倍,それ以降の期間については,一律,健康保保険診療報酬点数の1.01 倍とする。
なお,健康保険.において,看護師比率に関する基準を満たすことができない病棟として,入院基本料の所定点数から一定点数を減算する場合にあっては,当該減算後の所定点数を1.30 倍ないし1.01 倍するものである。
また,入院診療計画の基準,院内感染防止対策の基準,医療安全管理体制の基準及び褥瘡対策の基準を満たさないために,入院基本料の所定点数から一定点数を減算する場合にあっても,当該減算後の所定点数を1.30倍ないし1.01 倍するものである。
さらに,日常生活障害加算及び痴呆加算を算定する場合にあっては,入院基本料の所定点数に日常生活障害加算及び痴呆加算を加算した後の所定点数を1.30 倍ないし1.01 倍するものである。

注)医療安全管理体制未整備減算及び褥瘡対策未実施減算は,平成14年10 月1 日から適用されるものである。
 

8.入院室料加算

1日につき

個室:甲地10,000円、乙地9,000円を限度とする。

2人部屋:甲地5,000円、乙地4,500円を限度とする。

3人部屋:甲地5,000円、乙地4,500円を限度とする。

4人部屋:甲地4,000円、乙地3,600円を限度とする。

入院室料加算については、次の@及びAの要件に該当する場合に算定できるものとし、その請求に当たっては、医療機関が表示している金額により請求して下さい。
ただし、健保点数表において特定入院料として定められている点数(救命救急入院料、特定集中治療室管理料及び広範囲熱症特定集中治療室管理料等)の算定の対象になっている傷病労働者については、入院室料加算は算定できないものであること及びAのエの要件に該当する場合は、初回入院日から7日を限度とします。

@ 特定療養費における特別の療養環境の提供に関する基準を満たした病室で、傷病労働者の容体が常時監視できるような設備又は構造上の配慮がなされている個室、2入部屋、3入部屋及び4入部屋に収容した場合。

A 傷病労働者が次の各号のいずれかに該当するものであること。 

ア 症状が重篤であって、絶対安静を必要とし、医師又は看護師が常時監視し、随時適切な措置を講ずる必要があると認められるもの。 

イ 症状は必ずしも重篤ではないが、手術のため比較的長期にわたり医師又は看護師が常時監視を要し、随時適切な措置を講ずる必要があると認められるもの。 

ウ 医師が、医学上他の患者から隔離しなければ適切な診療ができないと認めたもの。 

エ 傷病労働者が赴いた病院又は診療所の普通塞が満床で、かつ、緊急に入院療養を必要とするもの。 
☆ エの要件の場合は、初回入院日から7日が限度です。
労災診療費(入院室料加算)請求の留意点
      今般、諸般の事情を踏まえ、東京労働局と打ち合せた結果、今後2 ヵ月程度
      の準備期間を設け、平成16年1月提出分の労災診療費請求から, 従来の請求
      に係る記載方法を下記のとおり変更します
     
       1.入院室料加算を算定した場合
         
           @ レセプトの「摘要」欄に病室番号を記入してください。
         
           A 個室、2人部屋、3入部屋、4人部屋へ収容する必要のあった理由を
               上記ア〜エの記号で明記してください。
       
      2.上記の記入例
    
          レセプトの「摘要」欄
    
           ○ 個室(505号)、ア(11日〜20日)


9.リハビリテーション料

(1)逓減制及び制限について
   発症の日から起算して6月以内の期間において,リハビリテーション料のうち,
   個別療法 又は集団療法を行った場合については,健保点数表に定める患者1人に
   つき1月の合計単位数の逓減又は制限を行うことなく算定できる。    

  発症日から6月を超える日以降の期間は次のとおりである。  
   イ 個別療法は1月に11単位目以降のものについて,所定点数の100分の70に相当
     する点数により算定する。 なお,この場合の四肢加算は1単位ごとに逓減したのちの
    所定点数に四肢加算の倍率を乗じるものとする。
  ロ 集団療法は1月合計8単位に限り算定する。
     注)個別療法は,傷病労働者1人につき1日3単位に限り算定できる。
       集団療法は,傷病労働者1人につき1日2単位に限り算定できる。

    @ 発症日から6ヵ月以内の期間においては,疾患にかかわらず健保点数表に定める逓減又
      は制限を行わないものである。
    A 既に発症日から3ヵ月を超えて逓減又は制限を行っていたものについても,平成16年 
      4月1日以降の診療について,発症日から6ヵ月以内の期間は逓減又は制限を行うことな
     く算定できるものである。
    B 発症日については,健保点数表に定めるリハビリテーションの発症日と同様に取扱う。
    (つまり,「急性発症した脳血管疾患等の疾患の患者」のうち,開腹術・開胸術後,脳腫 
      瘍など関頭術後,脊椎・肩甲骨・関節の手術後及び植皮術後であり,理学療法が必要と認
      められる患者にあっては,当該手術の日をもって新たな発症日とすることができる。) 
     なお,発症日が傷病年月日と異なる場合にあっては,その発症日をレセプトに明記する。
    
(2)理学療法併施加算      10点 

同一の患者に対し、健保点数表に定める理学療法の個別療法と集団療法を併せて実施した場合は、 個別療法の所定点数に10点を加算して算定できます。ただし、この加算の算定は1日につき 1回限りとします。

3)早期リハビリテーション加算
      急性発症した脳血管疾患等の疾患の患者に対して,リハビリテーション計画を作成し
      当該リハビリテーション計画に基づき,理学療法(V)程度の「個別療法」及び
       言語聴覚療法Vの個別療法を行った場合は,次に掲げる区分に応じ,早期リハ
     ビリテーション加 算として,それぞれ次に定める点数を健保点数表における
     理学療法(V)及び言語聴覚療法(V)の所定点数に加算して算定できる。
    この場合において,入院中の患者に対し,病棟等において早期歩行,ADLの自立等
    を目的とした個別療法を行った場合は,1単位につきさ らに30点を健保点数表
     における所定点数に加算する。 
   なお,当該加算の対象疾病については,健保点数表における「早期リハピリ
     テーション加 算」において定めているものと同様とし,四肢加算については
     上記加算前の点数を基礎として算定する。 
  
   イ 発症後14日以内に行われた場合(1単位につき)   1 0 0点 
   ロ 発症後15日以上30日以内の期間に行われた場合(1単位につき)  80点  
    ハ 発症後31日以上90日以内の期間に行われた場合(1単位につき)  30点 

   ○ 健保改正において,早期リハビリテーション加算の対象に,言語聴覚療法(I)及び(II)
    が追加されたことに伴い,労災保険における早期リハビリテーション加算においては,
   理学療法(V)及び(W)の医療機関についての特例取扱いに加え,言語聴覚療法(V)に
    ついても早期リハビリテーション加算の対象とした。
    なお,理学療法(W)を算定する医療機関においては,従来どおり,「急性発症した脳
    血管疾患等の疾患の患者」に対して,リハビリテーション計画を作成し,当該リハビリテ
   ーション計画に基づき,理学療法(V)程度の「個別療法」を行った場合は,理学療法(V)
   の個別療法の所定点数(1単位につき1 0 0点,傷病労働者1人につき1日3単位に限り
   算定)に早期リハビリテーション加算の点数を加算して算定することが可能であり,この
   場合,レセプトにリハビリテーション計画書の写しを添付して請求する。
   この場合のリハビリテーション計画書は、健康保険における様式を準用すること。
       早期リハビリテーション加算は、四肢加算の対象とはならないこと。  

   [早期リハビリテーション加算の対象疾患] 
    脳血管疾患,脊髄損傷等の脳・脊髄(中枢神経)外傷,
        大腿骨頚部骨折,下肢・骨盤  等の骨折,
        上肢骨折又は開腹術一関胸術後の患者,
    脳腫瘍などの開頭術後,
        急性発症した脳炎・ギランバレーなどの神経筋疾患,
    高次脳機能障害,脳性麻痺
    四肢(手部・足部を含む。)の骨折・切断・離断・腱損傷,
    脊椎・肩甲骨・関節の手術後,
    四肢の熱傷  (II度の熱傷では体表面積15%以上,V度の熱傷では10%以上)
    気道熱傷を伴う熱傷,
    多発外傷及び植皮術後であり,
        理学療法が必要と認められる患者をいう。


10.消炎鎮痛等処置

(1)逓減について  
   介達牽引及び消炎鎮痛等処置については,健保改正により「急性発症した脳血管疾患等 
     の疾患の患者」で発症後 180日以内のものについては,逓減制が緩和された。
     介達牽引及び消炎鎮痛等処置(「器具等による療法」及び「湿布処置」)について,
     同一部位につき,同一月において併せて5回以上行った場合は,5回目以降については
     所定点数の 100分の50に相当する点数により算定することとしてきたが,健保改正により.
     急性発症した脳血管疾患等の疾患の患者」であって,  発症後 180日以内のものにつ
     いては,7回以上行った場合は,7回目以降については 所定点数の 100分の50に相当す
     る点数 により算定することとなる。)
     ○ 介達牽引の部位(局所)について,レセプト上明確に記載する。 

(2)消炎鎮痛等処置の3部位又は3局所の取扱いについて

     消炎鎮痛等処置のうちマッサージ等の手技による療法又は器具等による療法を行った場合は、
     1日につき合わせて3部位又は3局所を算定できるものであること。
     なお、介達牽引は器具による療法に含まれることとなったことにより3部位又は3局所
  まで算定 できること  
   また、疾病における局所とは従来どおり、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの
  躯幹をそれぞれ指し、全身を5局所に分けるものであること。
   湿布処置については、1日につき所定点数(湿布処置の場合は倍率が異なる部位ごとに算
  定し合算とする。)を算定すること。


(3)消炎鎮痛等処置の併施について

  1. 消炎鎮痛等処置(「マッサージ等の手技による療法」及び「器具等による療法」)に
      係る点数は,負傷にあっては受傷部位ごとに,疾病にあっては1局所(上肢の左右,
     下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹をそれぞれ1局所とする。)ごとに,1日につき
     それぞれ 健保点数を算定できる。  ただし,3部位以上又は3局所以上にわたり
     当該処置を施した場合は,1日につき3部位又は3局所を限度とする。   
     なお,消炎鎮痛等処置(「マッサージ等の手技による療法」及び「器具等による療法」)
    理学療法を同時に行った場合は,理学療法の点数と,消炎鎮痛等処置(「マッサージ等 
    の手技による療法」及び「器具等による療法」)の1部位(局所)に係る点数をそれぞれ
    算定できる。 
   2. 介達牽引に係わる点数の算定は、上記@に定める消炎鎮痛処置(「マッサージ等の手技
      による療法」及び「器具による療法」)に係わる点数の算定と同様とする。
   ○ 上記取扱いは,健保改正により,従来,消炎鎮痛等処置の「器具等による療法」に含ま
    れていた介達牽引が,独立した処置として算定できるようになったことに伴い,介達牽引 
    について文言整理を行ったものであり,その取扱いは改定前と変わるものではない。
            
      なお,介達牽引の併施等の具体的な取扱いは次のとおりである。

 (1) 介達牽引と消炎鎮痛等処置(「湿布処置」,「マッサージ等の手技による療法」及び 
      「器具等による療法」)を同一日に異なる部位(局所)にそれぞれ行った場合は,湿布 
       処置の所定点数の他に,介達牽引,「マッサージ等の手技による療法」及び「器具等に
       よる療法」のうち計2部位までの所定点数を併せて算定できるものである。    
       なお,この場合,「湿布処置」の所定点数を算定することなく,介達牽引,「マッサ 
       ージ等の手技による療法」及び「器具等による療法」を合計で3部位まで算定すること
      として差し支えない。
 (2)  介達牽引と理学療法を同一日に行った場合は,介達牽引の1部位と理学療法の所定点
    数を算定できる。     
      また,介達牽引と理学療法の他,消炎鎮痛等処置「マッサージ等の手技による療法」
    及び「器具等による療法」を同一日に行った場合は,理学療法の所定点数に介達牽引,
   「マッサージ等の手技による療法」又は「器具等による療法」のいずれか1部位を算定
     できる。
    さらに,介達牽引と理学療法の他,消炎鎮痛等処置(「湿布処置」,「マッサージ等 
      の手技による療法」及び「器具等による療法」を同一日に行った場合は,理学療法の所
     定点数と「湿布処置」(1部位に限る。)の他,介達牽引,「マッサージ等の手技によ 
     る療法」又は「器具等による療法」のいずれか1部位を算定できる。  なお,この場合,
      湿布処置」と理学療法の所定点数を算定することなく,介達牽引「マッサージ等の手技
      による療法」及び「器具等による療法」を合計で3部位まで算定することとして差し支
      えない。

   ○消炎鎮痛等処置の四肢加算の取扱いについては、マッサージ等手技による療法及び器具等
  による 療法については所定点数の 1.5 倍、湿布処置は所定点数の  1.5倍(手及び
  手指は2倍)  として算定できること。 四肢加算の対象は表2のとおり
(4)消炎鎮痛等処置のうち湿布処置の特例

湿布処置が他の「マッサージ等手技による療法」及び「器具 等による療法」を同一日にそれぞれ異なる部位に行った場合
○介達牽引に係る点数の算定は、消炎鎮痛等処置のうち「マッサージ等の手技による療法」又は「器具等による療法」に係る点数の算定と同様とする。

○湿布処置は診療所において、入院中の患者以外の患者についてのみ算定できる。

(5)レセプト上の記載について  

消炎鎮痛等処置の種類及び部位(局所)については、レセプトに明確に記載して下さい。


 11.創傷処理及び骨折非観血的整復術の特例的扱い 

 健保改定後の手指の創傷処理(筋肉に達しないもの。)及び骨折非観血的整復術の具体的な算定点数は以下のとおりです。 

(1)創傷処理
指1本   940点(470点×2倍)

指2本 1、410点(940点十470点)

指3本 1、880点(1410点十470点)

指4本 2、350点(1880点十470点)

指5本 2、350点(470点×5倍)

(2)骨折非観血的整復術
指1本  2,880点(1,440点×2倍)

指2本  4、320点(2,880点十1,440点)

指3本  5,760点(4,320点十1,440点)

指4本  7,200点(5,760点十1,440点)

指5本  7,200点(1,440点×5倍) 

12 頭部・頚部・躯幹・四肢固定用伸縮性包帯腰部固定帯使用加算
  
四肢の他に頭部・頚部・躯幹に使用した場合も算定できる。なお、健保における腰部固定帯加算(180点)ついて、点数1 8 0点を超える腰部固定帯を使用した場合は、実費相当額(購入価格を10円で除して得た点数)で算定することができるものであること。

13 絆創膏固定術

  
従来、絆創膏固定術は手術の「筋骨格系・四肢・体幹」に区分され四肢加算(手指は2倍)の対象とされていたものであり、改定後は処置の区分に移行されたところであるが、従前と同様、処置の区分においても四肢加算の取扱いができるものである。

HP編者注:
ギプス料については四肢加算の取り扱いは出来ない。

14 その他
 
健保改定により新たに精神科救急入院料が特定入院料として新設されたことから、労災保険における救急医療管理加算、特別監視料及び入院室料加算と精神科救急入院 料との重複算定はできないものであること。


15 四肢の傷病に対する処置、手術、リハビリテーションの特例

ア.四肢には鎖骨、肩甲骨、股関節を含む。

イ.創傷、湿布、皮膚科軟膏処置は四肢加算の倍率が異なる複数部位に行った場合、同一倍率の各部位ごとに面積を合算した点数を算定できる。

(例)
 創傷処置(右手指と右下腿)
  右下腿 49点×1.5倍(労災四肢加算)=74点
  右手指 42点×2.0倍(労災四肢加算)=84点
 創傷処置(熱傷・・右手指と右下腿)‥2ヶ月まで
  右下腿 49点×3倍(健保加算)X1.5倍(労災四肢加算)= 221点
  右手指 42点×3倍(健保加算)X2.0倍(労災四肢加算)= 252点
                            
注)
  1. 足の指は1.5倍として算定する。           
      
  2. 薬剤料、特定保険医療材料、輸血料は健保点数で算定する。(四肢加算算定不可)
      
  3. 部位並びに手術項目を確認する・・
    手術項目の形成(全層,分層植皮術等)、処置項目のギプス料は、健保点数で算定する。
    (四肢加算、算定不可)
      
  4. 四肢加算後の1点未満の端数は切り上げる。
      
  5. 手の指に係る創傷処理(筋肉に達するものを除く)又は手の指に係る骨折非観血的整復術と指(手、足)に係る手術等を各々異なる指に対して併せて行った場合、同―手術野とみなさず各々所定点数を合算した点数で算定できる.

16 手指の創傷に係る機能回復指導加算

手(手関節以下)及び手の指の「皮膚切開術」,「創傷処理」,「デブリードマン」及び「筋骨格系・四肢・体幹」の手術を行った場合に,当該所定点数に加算する。

同一傷病につき一回限り 190点
(内訳書の50手術欄に記入)


17 初診時ブラッシング料

@創面が異物の混入、付着等により汚染している創傷の治療に際し、生理食塩水、蒸留水等を使用して創面の汚染除去を行った場合に算定できる。
 ただし、健保のデブリードマン加算と重複算定できない。

A四肢加算できない。 

同一傷病につき初診時1回限り    91点

18 特別監視料
頭部外傷等により意識消失し、極めて重篤な状態にある患者に対して、常時監視し、病状の変化に即応した適切な処置を講ずる必要がある場合 に算定できる。ただし、救命救急入院料、特定集中治療室管理料及び広範囲熱傷特定集中治療室管理料等との重複算定はできない。

1日につき
   200点 内訳書入院欄のその他に記入


19 文書料

診療項目 診療内容の説明 労災診療費 備考
療養の給付請求書取扱料  「療養(補償)給付たる療養の給付請求書(様式第5号又は第16号の3)」を取り扱った場合(再発を除く。)に算定できる。
2,000円 内訳書右側(80)その他欄に記入、摘要欄に「取扱料」と記載する
休業等証明料 休業(補償)給付請求書の休業に関する診療担当者の証明
 〔様式第8号、様式第16号の6〕
正本1部につき
   2,000円
内訳書右側(80)その他の欄に記入、摘要欄に証明期間を記載する
看護の給付に関する医師又は歯科医師の証明
  〔看護費用の額の証明書〕
正本1部につき
   1,000円
診断書料 (1)傷病(補償)年金決定のための「傷病の状態
  等に関する届書」に添付する診断書

(2)傷病(補償)年金の定期報告に添付する診断書

(3)1年6ヶ月以上経過の休業(補償)給付決定
  のための「傷病の状態に関する報告書」に添付
  する診断書
 〔年金通知様式第2号〕 じん肺用
 〔年金通知様式第3号〕 せき髄損傷用
 〔年金通知様式第4号〕 じん肺・せき損以外用
正本1部につき
   4,000円
内訳書右側 @その他の 欄に記入、 摘要欄に 「年金様式 第4号診断書」のように記載する
(4)障害(補償)給付請求書〔様式第10号、様式第16号の7〕

(5)障害(補償)給付変更請求書〔様式第11号〕
(6)障害(補償)年金
   遺族(補償)年金}の受給
に伴って提出する「障害の状態に関する診断書」
   〔年金通知様式第7号〕
正本1部につき
   4,000円
○診療費請求書による請求はできない・
本人が費用請求として直接監督署に請求する
介護(補償)給付支給請求書に添付する診断
※障害(補償)年金受給者のみ「傷病(補償)
 年金受給者はレセプト請求」
(8)
@はり・きゅう、マッサージ等の施術に関する診断書
正本1部につき
   3,000円
○内訳書右側
@その他欄 に記入
A「施術効果の評価表」等を添付した場合 正本1部につき
   4,000円
上記診断書作成に当たってレントゲン撮影、検査等を実施する必要はない。
治療の過程で実施していれば診断書作成時点に最も近いものにより作成し、検査等を行わなくても診断できる程度の内容でよい。

19 上記以外の診療費の算定
 
健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法(平成6年厚生省告示第54号)の別表
 の診療報酬点数による。                  〔健保点数に準拠〕


東京労働局編 
東京臨床整形外科学会編

平成14年4月からの整形外科医療の内容(HOME)