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■臨床整形外科医会が国会内で早期再改定求めて決起集会
与党議員は一定の理解


 日本臨床整形外科医会(角南義文理事長)は19日、国会内で診療報酬点数の「再改定」を求める決起集会を開いた。集会には自民党の丹羽雄哉医療基本問題調査会長をはじめ与党の厚生関係の国会議員約30人が出席。医会側は、4月のマイナス改定以降、1医療機関当たりの診療報酬総点数が前年比で9%程度落ち込んでいるとの実態を示し、厚労省の推計とも「大幅に乖離している」ことから、早期の再改定を訴えた。また、与党議員に対しても、慢性疼痛疾患管理料を理学療法Wと消炎鎮痛処置の併算可とするなど、再改定に向けた要望事項6項目を提示した。

集会で丹羽調査会長は「党に持ち帰り、皆さんの痛みを深刻に受け止めながら検討していきたい」と強調。そのほか出席した議員からは、早期の再改定に向けて政治レベルで中医協に働きかける考えや、来年4月の被用者保険本人の3割負担引き上げを「凍結」すべきとする意見が相次いだ。 
決起集会で角南理事長は、4月の診療報酬マイナス改定以降の状況を報告。医会による独自調査から、1医療機関当たりの診療報酬総点数は前年同月比で、4月分9.4%減、5月分9.3%減、6月分8.7%減−となっている状況を示した。また、レセプト1件当たり点数についても、4月分9.6%減、5月分8.2%減、6月分9.0%減−となっており、板口力厚労相が国会で答弁した「おおむね2%を超えない」とのマイナス改定の影響とは大きく乖離しているとして、早期の診療報酬再改定を求めた。

整形外科領域の再改定に関する具体的な要望事項では、
(1)慢性疼痛疾患管理料を理学療法W、消炎鎮痛処置との併算可とする
(2)慢性疼痛疾患管理料を200床未満の病院でも算定可とする
(3)理学療法の逓減制は、初診後(手術後)3か月以内の急性期には逓減しない
(4)牽引療法は治療法として定着していることから、固有の点数を算定可とする
(5)集団療法の1か月合計8単位までという制限を撤廃する
(6)国民に医師選択の自由を奪う手術の施設規準、とくに人工関節の手術の施設規準を撤廃する
−の6項目を盛り込んだ。

 与党議員からは「早期再改定」を求める意見が相次いだ。自民党医療基本問題調査会の自見庄三郎会長代理は、「診療科ごとにデコボコがあれば見直す。党内で真剣に検討したい」と強調。また、宮崎秀樹参院議運委員長は「最終的には中医協だ。いかに中医協でやらせるか政治的な方策を考えたい」と述べた。武見敬三参院議員は「来年4月の3割負担は凍結すべきであり、高齢者の負担感を改善する具体的措置を図る」と指摘。そのほか公明党の福島豊厚生労働部会長は、「若い医師が開業しても、廃業の危機感を持たなければならない。できる限り速やかに改める」と述べ、保守党の野田毅党首も「年度途中でも見直すべき」と強調した。

12月20日 メディファクス 4106号

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