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■健保法等改正案反対、診療報酬対応で共闘体制 
三師会が「統合戦略本部」設置


 日本医師会・日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は11日、東京都内のホテルで会見し、健保法等改正案や診療報酬マイナス改定への対応で「統合戦略本部」(本部長=坪井栄孝日医会長)を立ち上げたことを明らかにした。戦略本部の石川高明事務局長(日医副会長)は、大詰めを迎えた健保法等改正案の国会審議について、衆院での参考人質疑で日医が提示した修正の条件が受け入れられない限り、「あくまで法案の成立に反対する」との立場を貫く考えを表明した。また、今後の戦略本部の活動については、健保法等改正案や4月実施の診療報酬マイナス改定への対応のほか、総合規制改革会議で再三にわたって浮上している「医療機関経営への株式会社参入」について明確な反対姿勢を示し、三師会としてスクラムを組み,政府・自民党などに強く働きかけていく考えを示した。
 本部の設置は7月3日の三師会の会合で決まったもの。石川事務局長会見で、「政府の改革案は医療機関や老人に負担を強いるもので、日頃から老人に接する医療関係者として法案の成立に賛成することはできない」と断言。老人の完全定率負担制や償還払い制、さらには被用者保険の3割負担引き上げがもたらす影響や問題などについて、三師会の各団体を通じ幅広くPRしていく考えを表明した。また診療報酬マイナス改定の影響で青柳俊事務局次長(日医副会長)は8月20日にも4月以降3か月分のレセプト調査の結果を公表する方針を示しながら、診療報酬マイナス改定による医療機関への影響を訴えていく姿勢を示した。さらに糸氏英吉事務局次長(日医副会長)は「われわれに対する外圧は強い」と述べ、三師会が運命共同体として、直面する医療問題に対処するため戦略本部を設置したと説明。健保法や診療報酬以外にも、総合規制改革会議での株式会社方式導入や医療費総枠管理などの問題が再浮上する可能性があるとし、「三師会がスクラムを組んで闘っていく」と強調した。
 一方・梅田昭夫事務局次長(日歯専務理事)は、健保法等改正案について「医療の質を高めるなかで、これが通れば質の低下は避けられない」と強調。さらに国民皆保険体制の崩壊にもつながる危険性があると警鐘を鳴らした。岡本影事務局次長(日薬副会長)は、「いま被用者保険本人の3割負担が本当に必要なのか」と指摘したほか、「外来での償還払いを老人に強いるのは難しい」との認識を示し、政府に対して再考を求める姿勢を表明した。健保法等改正案の国会審議は、衆院の参考人質疑で提示した三師会の修正要望の取り扱いが焦点となるが、石川事務局長は参議院自民党を軸に国会審議で対応すると指摘。同時に、参院だけに止まらず自民党としての対応を求める考えを強調した。

■三師会共同で「総合戦略本部」設置で初会合       
 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会はきょう11日、参院で審議中の健保法等改正案や診療報酬マイナス改定の影響などで共同歩調をとって活動するための「総合戦略本部」を立ち上げ、初会合を開く。同本部の設立は今月3日に開かれた三師会会合で決まったもの。本部長には日本医師会の坪井栄孝会長、副本部長には日本歯科医師会の臼田貞夫会長、日本薬剤師会の中西敏夫会長が就任する。また事務局長には日本医師会の石川高明副会長が就き、本部運営を指揮する。なお事務局次長には、日本医師会の糸氏英吉、青柳俊両副会長、日本歯科医師会の梅田昭夫専務理事、平井泰行常務理事、日本薬剤師会の岡本影、佐村克己両副会長が就任する予定。なお、初会合には関係の国会議員も出席する。
7月11日 メディファクス 3996号


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若葉通信ほーむ