■准看→正看の2年課程通信制活用へ
厚労省が具体的検討に着手
厚生労働省は、准看護師が通信教育2年課程を利用して看護師になる道をどのように構築するかの具体的な検討を始めた。看護師2年課程通信制は1995年に制度化されたが、実質的には動いていない。移行教育の希望者受け入れに必要な養成所の数、養成所に名乗りをあげてもらうための財源措置など支援策の検討、教材の開発、カリキュラムのなかで臨地実習にかかる時間的な負荷をどのように減らすかなどがテーマにあがっている。
准看護師が看護師になれる道を広げるための検討は、「准看護師の移行教育に関する検討会」で行われた。99年4月の報告書では、就業経験10年以上の准看を対象に5年間の時限措置つきで実施することが明記された。ただ、実施時期は「関係者と十分な協議を行う」とされ、その後3年以上が経過している。准看養成の停止が大前提としていた日本看護協会も、准看養成時間の延長に伴う養成所の減少や准看会員の強い要望を受けて、准看養成停止のめどは立っていないとしつつも、2年間の通信教育を活用して看護師への道を開く議案を5月の総会で採択した。その後、坂ロカ厚労相が今月15日の参院決算委員会で、「2年課程通信制の弾力的運用ということで実施したい」と答弁、04年度から開始する意向を示していた。大臣発言を受け、看護課も具体的な検討を始めた。
財政面などの支援策を詰めて養成所機関を募る一方、所定の2100時間のうち720時間を臨地実習に充てるカリキュラムが、働きながら受講する准看にとってのハードルになっていたため、レポート提出を実習に代えるなどして弾力運用する方針。通信教育により看護師を目指す准看の数は、2年前の意識調査で22万人余りと見込まれた。ただ当時は基礎分野の免除が前提だったのに対し、通信教育課程では免除されないため受講希望者が減ることも考えられる。
7月25日 メディファクス 4006号