515253

■准看護師 働きながら正看へ道
厚労省 通信制の課程見直し

准看護師が働きながら正規の看護師になるための道を開くため、厚生労働省は、事実上機能していない看護師養成所での通信制の2年課程を見直す方針を決めた。入所を10年以上の経験者に限定する代わり、負担の重い病院での実習を免除して仕事と両立できるようにする。04年4月から実施する予定で、近く省令の改正案を公表する。

 厚労省は見直しで、720時間の実習の代わりに、看護計画などを作る実例演習や見学、面接を行うようにする。実習を終えるには120日かかるが、これにより35日で済むという。

 現行の2年課程の通信制は旧厚生省が96年に導入した。就業経験3年以上か高校を卒業した准看護師を対象にし、修了すれば正看護師の国家試験の受験資格が得られる。しかし、実習が足かせになり、通信制を設けた養成所はなかった。

 准看護師制度は看護師不足を補う目的で51年から始まり、00年12月末時点で41万8000人いる。10年以上の経験者は26万1000人で、うち約7割が正看護師になることを希望しているという。

 准看護師をめぐっては、旧厚生省の検討会が99年、5年間の時限措置で、経験10年以上の准看護師を対象にした正看護師への「移行教育」を提言する報告書をまとめた。しかし、准看護師の養成廃止を求める日本看護協会と廃止に反対する日本医師会が対立、報告書に実施時期を明記できず、実現していない。

asahi.com H14.12.1

515253

若葉通信ほーむ