■02年度医療保険医療費は前年度比0・8%減に 厚労省・医療費の動向
2002年度の医療保険医療費は28・6兆円となり、前年度に比べて0・ 8%減ったことが、厚生労働省が8日発表した「医療費の動向」でわかった。 この年に実施された診療報酬引き下げや、高齢者の自己負担引き上げにともな う患者の減少が影響したとみられる。厚労省は、診療報酬を下げても高齢者の 増加で02年度の医療費は1%伸びるとしてサラリーマン本人の医療費3割負 担導入を決めたが、予測とは2%近く乖離(かいり)する結果になった。3割 負担導入の影響で今年4月以降も医療費の減少傾向は続くとみられ、秋から本 格化する来年度の診療報酬改定に向けた議論で争点のひとつになりそうだ。
医療保険医療費は、医療保険から支払われる医療費(患者負担分を含む)を
集計したもの。現金支給や生活保護などの公費負担医療費は含んでいない。厚
労省の発表によると、02年度の医療保険医療費の総額は、28兆5735億
円。介護保険に一部が移行した00年度を除きプラス基調で推移してきたが、
02年度は前年度比0・8%の減少となった。
医療保険の制度別でみた内訳は、被用者保険のサラリーマン本人4兆913 0億円(3・3%減)、その家族4兆3891億円(2・3%減)、国民健康 保険7兆7107億円(0・5%増)、老人保健11兆5491億円(0・2 %減)。サラリーマン本人の落ち込みが大きいが、介護保険がスタートした0 0年度を除いて5〜8%の高い伸びを示していた老人医療費もマイナスとなっ た。
診療種類別では、入院10兆4583億円(0・3%減)、入院外11兆2
329億円(4・1%減)、歯科2兆5252億円(0・5%減)、調剤(薬
局)3兆4352億円(9・5%増)などとなり、入院外医療費の減少がもっ
とも大きかった。
JPN 2003-08-11