国と地方の税財政を見直す三位一体改革で、政府は24日、06年度までの補助金削減案に義務教育費国庫負担金8500億円のほか、国民健康保険の国庫負担など6000億円強の削減を盛り込む方針を決めた。一方で公共事業関係の補助金や廃棄物処理施設、公営住宅などに関係する施設整備費は税源移譲を伴う削減対象から外す公算が大きくなっている。
24日朝の細田官房長官ら関係4閣僚の会合では、麻生総務相が国保の国庫負担2分の1という仕組みは維持したまま、6300億円を都道府県に移すよう提案。谷垣財務相は、国庫負担を引き下げて6900億円を削る厚生労働省案を支持したが、国保を削減対象とすることでは大筋で合意した。
一方、同日夕の首相官邸での「国と地方の協議会」では、地方側は生活保護費や児童扶養手当の国庫負担率引き下げには反対すると改めて表明。ただ、国保制度の見直しについては「見直しの場合、国庫負担2分の1という基本原則を維持することを前提とする」と柔軟な姿勢を示した。
政府・与党は、3兆円の税源移譲には今年度すでに対象とされた6500億円を含める方針で、補助金の削減目標は2兆3500億円としている。ただ、すでに固まった義務教育費、国保に、地方案受け入れを表明している総務省(95億円)と内閣府(11億円)分を加えても、8500億円が不足する。地方案が廃止対象としたうち、公共事業や施設整備費以外のものは8府省で約1.2兆円ある。
政府・与党内では、建設国債でまかなわれる施設整備費についても、公共事業関係の廃棄物処理施設や公営住宅に関係するものを除く約3000億円を対象とする案が浮上。ただ財務省は反対し、生活保護費や児童扶養手当の国庫負担割合引き下げを求めている。
Asahi.com (11/25 06:34)