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■診療報酬2.7%マイナス改定に抗議文
日医代議員会で緊急動議可決


 日本医師会は2日の代議員会で、診療報酬の2.7%マイナス改定に対する抗議文を代議員会としてまとめ、小泉純一郎首相、坂口カ厚生労働相のほか、自民、公明, 保守の与党3党幹事長などにあてて提出することを決めた。抗議文の提出先や内容
については代議員会議長と副議長で詰める。抗議文の提出は、福岡県の辻正義代議員が緊急動議として提案。中間翼氏ら福岡県選出代議員の賛同を得て上程され、過半数の賛成で議決された。
 代議員会の質疑は、ブロック代表、個人質問を通じて、今回のマイナス改定による影響の大きさや、改定内容の決定経過、それに関連する日医の広報体制の問題に集中した。マイナス改定については、坪井会長をはじめ、執行部に対して真意を問う質問が相次いだ。首相や厚労相に対する抗議文の提出を求める緊急動議もそのひとつ。「議論を拝聴しているとすべての代議員が今回の大幅マイナス改定に不安を表明し、怒りを示している。(今回の改定は)地域医療、国民医療の崩壊を招く」(辻代議員)との認識による。文案などについては、代議員会議長、副議長に委ねられた。

●坪井会長 02年のうちに診療報酬を再改定すべき
 今回の診療報酬マイナス改定について坪井会長は代議員会の所信表明で、経済情勢などを勘案した「苦渋の選択」であったことを繰り返し強調。再診料の月額逓減制、手術料の減額措置などが医業経営に及ぼす影響を懸念し、「急を要するものについてはなるべく早く(医療機関の)リスクの軽減を図りたい」と述べた。 一方で、「今回の改定は小手先の修正作業では到底改善されない」とも指摘。「14年度(2002年度)のなるべく早い時期にもう一度改定をするべきだ」とし、再改定に向け、中医協の議論を開始するよう、厚労省の大塚義治保険局長に申し入れたことを明らかにした。

●マイナス2.7%は最終段階での2.8%提示を押し戻した結果
 また、所信表明や答弁で、当初、財務省側からは5.8%の引き下げ要求があったのを粘り強い交渉で2.7%の引き下げに食い止めたことを繰り返し説明、理解を求めた。年末の最終調整の場面では、丹羽雄哉自民党医療基本問題調査会長からマイナス2.8%の提示があったのを「医療本体部分の引き下げは1.3%まで0.1%分を時間をかけて修正させた」と報告。「交渉して、むしろ2.8%から2.7%を勝ち取ったと考えている」との認識も示し、「官邸との交渉が決裂すればマイナス5.8%のところに戻ってしまうという苦渋の状況にあったことを知っていただきたい」と述べた。

■「マイナス改定の失地回復」データ揃えて中医協の開催要求
糸氏副会長

 糸氏英吉副会長は2日、代議員会の答弁で「マイナス改定で再診回数が多い患者を抱える一部の医療機関に迷惑をかけたのは事実で反論の余地はない」とし、「このうえは日医の全力をあげて失地回復に向けて何をなすべきか考えなければなら
ない」と決意を示した。具体策では、日医総研が行っている定点調査「医療・介護経営実態調査(メディダス)」を活用して、会員医療機関から生データを収集する考えを表明。「マイナス改定による医療費の動向を迅速に追跡し、異常な事態は迅速に把握したい」とするとともに、「早急に中医協の開催を要求して失地回復のための対応を取りたい」と説明した。
 また、糸氏副会長は「データ収集と同様に大事なのがロビーイングパワーを十分発揮できる環境があることだ」と医政活動の重要性を改めて強調。「地域でのロビーイングを是非お願いして、何とかしてこの失地回復にご協力いただきたい」と要請した。

4月3日 メディファクス 3928号−2


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