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■保険者によるレセプトの直接審査・支払いには「絶対反対」
日医・青柳副会長


日本医師会の青柳俊副会長は12日の近畿医師会連合定時委員総会・医療保険分科会で、保険者機能の強化によるレセプトの直接審査・支払いについて、「絶対反対」が日医の基本姿勢であることを繰り返し強調した。この問題をめぐっては、法改正を必要とせず、局長通知で導入が可能な点に懸念を表明。反対の意思表示を明確にする一方で、仮に直接審査・支払いを可能とする局長通知が不可避となった場合に、

(1)公平な審査体制の構築
(2)紛争処理ルールの確立
(3)守秘義務の担保

という3条件を課して通知を「有名無実化」するという2段階の対応で臨んでいると説明した。直接審査については、業務を受託する民間業者も含めた守秘義務の厳守、紛争処理ルール、公平な審査体制に係る法的な条件整備が必要だという点で、各府県医師会とも日医の見解と一致した。加えて、保険医療機関との割引契約は患者のフリーアクセスを阻害するだけでなく、医療機関がダンピング競争に巻き込まれることによる医療の質の低下、地域医療の混乱が皆保険制度の崩壊につながる危険性をはらむとの指摘もあった。今後の方向としては、個々の医療機関ではなく契約窓口を医師会に一本化するほか、会内に訴訟対応部門を設置するなど、医師会の組織的対応が必要との意見が強く出された。

対応策は2段階で

 これに対し、青柳副会長は「局長通知が、いつ、どのような形で出るか」までの対応が、現段階での最重点課題であることを強調。直接契約は医療機関、国民双方にデメリットが多いという共通認識を持つことが大事だとして、積極的な情報提供を勧める方針を示した。医師会としての紛争対応の組織化や、契約窓口の一本化などは「当然、頭にあるが、局長通知が出た後の第2段階の対応だ」と指摘。すでに留意事項の文書はできているとしたが、原則反対の立場から、公表の時期を見極めているところだと説明した。また、「表現次第では、独占禁止法に抵触する懸念もある」とし、弁護士とも調整中だと述べた。

■205円ルール見直しに伴うレセプト記載は「従来どおり」で
菅谷常任理事
 

日本医師会の菅谷忍常任理事は、近医連・医療保険分科会で、205円ルールの見直しに伴うレセプトヘの主傷病、副傷病記載の問題について、厚生労働省に対して「基本的に従来どおりの対応を認める」旨の再通知を要求していることを明らかにした。国保連合会とは従来どおりの対応を確認ずみだとする一方、支払基金とは詰めの作業を続けていると報告。「主傷病名の記載がなくても、不利益な扱いをしないという原則をしっかり確立したい」と述べた。そのうえで、「要するに、審査会の問題であり、毅然たる態度で臨んでほしい」とし、審査会に対する医師会の対応をきっちりすれば問題はないとの認識を示した。

5月14日(火)メディファクス 3954−1号


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